Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜







『彼』は
少し走って

あまり ひと気の無い海岸通りに
バイクを停めた


犬を散歩させているお爺さんが
一人、歩いてるだけ



――― 『彼』はメットを脱いで
頭を少し振る


海風に吹かれて
『彼』の綺麗な、横顔が見えた


私もメットを脱いで
今まで座っていた場所に置く



―――― 『彼』はこっちを見ないし
何も喋らない

まるで出会ったあの時みたいに
アスファルトの上に
二人黙って、腰を降ろした