「…あれ…!!!」 三階の窓から、校庭 武藤は窓を思い切り開けて 身を乗り出す そしてバタバタと、階段を駆け降りた ―― 校庭は体育祭の準備のせいで 昼休みは遊べない 白線と、何か運んでいる 幾つかの人影 左に見える校門には ―――― 銀と黒のバイク 傍には深くキャップを被った 全身黒の『彼』 すぐに解って、私は 両手で口を覆った ――そこへダッシュする 武藤の影 『彼』に声をかけて こっちを振り向くと 凄い勢いで、手で合図した