昼休みに 独りでジュースを買いに行った 皆ケラケラ笑い合う 教室前から少し外れた廊下の床 消火栓の、赤いランプの横に 武藤が座ってる 手で呼ばれて、 傍に行った 「…葉山、さっきどうしたの?」 「…わかんない 」 ―――― だけど 膝の間に降ろしている 節ばった長い指の 武藤の手を見て 一気に全部、気が付いてしまった しゃがんで、 自分の膝に顔を埋めて 声を出さずに泣いた――――