Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜





昼休みに
独りでジュースを買いに行った


皆ケラケラ笑い合う
教室前から少し外れた廊下の床
消火栓の、赤いランプの横に
武藤が座ってる


手で呼ばれて、
傍に行った



「…葉山、さっきどうしたの?」

「…わかんない 」





―――― だけど

膝の間に降ろしている
節ばった長い指の
武藤の手を見て


一気に全部、気が付いてしまった



しゃがんで、
自分の膝に顔を埋めて
声を出さずに泣いた――――