「……ゴメン…」
「ユカはさ〜
自分で思ってるより
ずっと、かわいいんだよ?
…そりゃ、弟クンは、美少年だし
マキちゃんとか
もう、破格のアズとか見てるから
基準おかしくなってるのかも
しれないけど…
加藤先輩だって、ちゃんと本気で
告白したって言ってたよ?
それに『彼』も
私の家が、1番遠いから
最後まで残ったんだけどね」
「…うん 」
「降りる時、
『彼』が荷物持ってくれて
私に言ったんだよ
…あいつが泣いたら、教えてって」
「……そんな事
私が降りる時は、一言も…」
「……彼のいう通りにするなら
今、教えた方が、いいのかな〜
――たまにはユカちゃんから
電話かけてあげなよ
…海から戻って来て
まだ一回も、
かけてないんじゃないの?」
「……うん 」
―― 少し赤い目を擦りながら
ユリちゃんと一緒に
ベニヤ板と、武藤の居る場所に戻った
武藤は、何にも聞かなかった
「ムトークン!
私も暇だから手伝うよ〜」
「お!マジで?
うちのクラス遅れてるから
助かるわ
じゃあさ、ここから半分
この絵の見本見て
線描いてもらえる?」
「お〜っけ〜い 」


