「…俺、明日 死ぬかもしんねーな」
「 はい?! 」
「――じゃあ葉山さ
これ使う?
もう…二年間ずっと着けてるから
傷、かなり付いてるけど
銀で出来てる
ファンクラブ限定グッズ」
「コアじゃん!」
「まあね〜
シリアルついてて、三番かな」
「そんなんもらえないってば!!」
「でも」
「でもならこっち!
てか、何でファンクラブ入ってるのに
チケット取らなかったのよ!
もっと……前で見られたのにさ…」
「頼んで届く日が
バイトの給料日前でさあ
…俺、カノジョの初ライヴのチケットは
たかが五千円とかかもしんねーけど
絶対自分で働いた金で買うって
決めてたから…」
――― そう笑った武藤の顔は
いつものオチャラケたのじゃなくって
何だか凄い、男っぽかった
「……武藤
そのストラップの事
ホントにマジだから。
…嘘じゃない証拠に
次のプロモのネタ、教えるよ」
「あ、それはいいわ
――やっぱ、
何にも知らないで見たいし
葉山が嘘言ってる顔には見えないし
最初から、疑ってないしさ」
「………そっ か…」
「 うん
…ホントにサンキューな 葉山」


