「音楽いいなって
思い始めたのは、『Azurite』だけど
……"CheaーRuu"のベースの人さ
渋くてカッケーじゃん
夏の野外でも、
オープニングで、カノジョと一緒に
コラボみたいな感じで
一曲やったんだけど
………スッゲー鳥肌立った」
「行ったの?!」
「行ったさー!!
発売日の前の日から列んで
携帯でも電話かけまくって
…それでも席、最後尾だったけど
ギリで、あの席取れたんだ
あれで今年の俺の運、
使い切ったと思ったね」
……………。
「……これ あげる」
「何?」
私は携帯から
青ベースの
色んな色が混じった
ビーズのストラップを外して
武藤に渡した
首飾りを作ってくれた後に
私が前につけてたストラップが
痛んでいるのを見て
アズさんが、ハンパなビーズを集め
作ってくれた奴だ
「………アズライトが作った奴
ホンモノだよ」
「……何だよ それ…」
「…私のベースの師匠が
ちょっと知り合いで
…そのツテで、貰った…」
―――― やっちゃった後
『なあ?!じゃあ
サインもらってくれないか?!』とか
『逢わせてくれよ!!』とか
………武藤が言って
騒ぐ場合もあるんだって気が付いて
冷や汗をかいたけど
武藤は、ずっと、黙ってた


