『…違約金なんか
俺が家の金で払ってやるよ…!!
契約違反なんて、糞喰らえだ!
………行けよ 青山さん!!
アズと一緒に!!!』
「馬鹿な事言うんじゃない!
そういう問題じゃないだろう!」
『またアズを、独りにするのか?!』
「真木が居る! 池上だって!!」
『……あんたが行かないなら、俺が行く…
元々俺は、アズに届けたくて
歌い始めたんだ…
…お願いだよ 青山さん…!!
貴方が一言、行くなって言えば
アズは……!!』
「 …縛り付けてどうする! 」
『…………』
「…このオフでアズは
帰って来る場所があると確信して
―――決める事が出来たんだと思う
それに俺だって
あずるを、ずっと
独りにしておくつもりは無いよ」
『――……ホントに…?』
「…別に"CheaーRuu"は
テレビ主流に活動してる訳じゃない
ツアーの時期以外は
隙を見て、
俺が向こうに行けばいい」
『……アズは
青山さん以外には
助けてって絶対言わないんだ…
岡田さんも、言われた事無いって…
それなのに
貴方が傍に居なくて
アズは誰に、助けてって言えばいいの…』
「―――オレは 青山の代わりに
行く事に決めたんだ」
『……真木さん…』
――トイレの壁の向こうに
アニキの声が、増えていた


