マキちゃんを伴って
青山さんが歩いて来る
ジーンズの膝から下が
ビショビショになっていた
マキちゃんが私に抱き着いて
私も抱き返す
青山さんはそのまま車から
タオルを出して来て
私にポン と、渡した
立ったままのマキちゃんの足元を
そのタオルで拭く
子供になっちゃったみたいな、
マキちゃんを見て
自分達が高校生なんだって
あらためて、気が付いて
なんだか私まで涙が出て来た
そしてそれを
黙って見ていたままの『彼』が
『… 青山さん 行く?』
そう言って
青山さんも、「OK」と返し
散らかった花火の燃え殻を
一度ビニール袋に水を入れて
集めて、沈めた
……お開きなんだな
そう思ったら
『…入るよ 』
「 え? 」
『…入るよ スタジオ 』
マキちゃんは
その言葉に、目が輝いて
『彼』の目も
問答無用に、『来い』と言っていたから
私はただ、ドキドキしながら
頷く選択しか、しなかった


