Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜



マキちゃんを伴って
青山さんが歩いて来る

ジーンズの膝から下が
ビショビショになっていた

マキちゃんが私に抱き着いて
私も抱き返す

青山さんはそのまま車から
タオルを出して来て
私にポン と、渡した


立ったままのマキちゃんの足元を
そのタオルで拭く

子供になっちゃったみたいな、
マキちゃんを見て
自分達が高校生なんだって
あらためて、気が付いて
なんだか私まで涙が出て来た


そしてそれを
黙って見ていたままの『彼』が

『… 青山さん 行く?』

そう言って

青山さんも、「OK」と返し
散らかった花火の燃え殻を
一度ビニール袋に水を入れて
集めて、沈めた


……お開きなんだな

そう思ったら


『…入るよ 』

「 え? 」

『…入るよ スタジオ 』


マキちゃんは
その言葉に、目が輝いて

『彼』の目も
問答無用に、『来い』と言っていたから
私はただ、ドキドキしながら
頷く選択しか、しなかった