緑川さんは
片手で器用に玉子を割り
少しして焼けたそれを
青山さんのお皿に乗せて
青山さんはアズさんの元に向かった
アズさんは一瞬ビクッとして
腰を浮かせて、逃げの体勢
青山さんは、
バッとアズさんの首根っこを掴んで
お皿の上の玉子を見せて
アズさんのお皿に、素早く乗せた
何か二人は喋ってて
でも、アズさんは
その目玉焼きを半分に切って
青山さんの、お皿の上に乗せた
――― 二人は
同時に優しく笑って
また話しながら、
焼きそばに箸を進める
―――どこかから、シャッターの音
そのレンズは
あの二人に向けられてる
それを皮切りに
望遠レンズが付いた、立派なカメラは
修学旅行のカメラマンみたいに
バーベキューを囲んで笑いあう
皆の姿を、写し続けていた


