そして
24枚あるはずの景色は
何故か23枚しかなくて――

池上さんと二人になった時
こっそり聞いてみたんだ



「…一枚、失敗しちゃったんですか?」


池上さんは

「あら 枚数気が付いてたのか〜」

「はい」

「…失敗じゃなくて
映像撮りとしては
大成功の写真かなあ」

「え じゃあ何で、
皆に見せないんですか?」



「……僕は皆と友達だから
深い所まで撮れてしまう事があって

アズルンを見てる、
クウヤンの写真なんだ
―― 抜いたのは

皆判ってはいるけど

……クウヤン自身、
皆の前で、写真として
晒されたくは無いだろうから…」

「…見てみたいけど
みないほうが良いですよね」


「うん… そうしてあげて

あ、ユカちゃん」

「はい!」

「あさって、
一応帰ろうって事に
なってるんだけど

明日何か、したい事ある?」



「……そっか……もう」

「――来年も来ようね 皆で」



「…うん 」


「ユカちゃんも
僕の、夢のチョイスの一員だからね」


「………うんっ 」



腕で顔を擦る

……ここに来てから
どんだけ、何回泣いたかなあ…


池上さんに
お辞儀してから部屋を出て


ここに来てから一度も触っていない
自分のベースのある部屋の
明かりをつけた―――