そこからは
マキちゃんも私も笑ってて

線香花火の小さい溶岩が
生き物みたいになって
全部、ひとつになって行く

オレンジの飛沫を飛ばして
一回、もの凄い勢いで噴き出した

そして溶岩の球はグツグツとして
少しづつ色が冷えて行く


――いつもなら
落ちてしまう頃

けれどその塊は
しっかり根元に絡みついて

地面に落ちる事は無かった




『…アリゾナは 砂漠だったよ』

『彼』が掠れた声で
私達の知らない、そこの話を
し始めた