「…そういやアズル
ちょっと水に
顔付けられるか?」
「…………」
「下向いてるうちに
どこか行くとか、しやしねえよ
……いい気持ちだから
しがみつくのやめろ。
―― 手、繋いでるから
やってみ」
「……うん 」
アズさんは
意を決して、息を吸い込んだけど
どうしても水面の直前で
顔を止めてしまう
アニキだったら
頭に手を置いて、高笑いしながら
無理矢理沈めそうなもんなんだけど…
ジッと、 黙って待ってる
――― 少し
高い波が来て
それが行き過ぎた時
アニキの姿が消えてた
「―――……クウヤ?!」
アズさんが、辺りを振り返る
周囲に居ないと判って
…アズさんは躊躇無く
水に沈んだ
即座にアニキが
アズさんを抱き抱えて
水面にあがって来る
「ボウズ!出来たじゃん!」
「…クウヤの馬鹿!!」
アニキとアズさんは
乱闘になって
睨むアズさんとは対象的に
アニキは満面の笑顔してる
それから少しして
遊びながらもアニキは
アズさんに、
泳ぎのコーチをして
アズさんは十メートル位、
泳げる様になった


