アズさんは結局
青のワンピースにした
一応、お腹は隠れてるんだけど
背中と脇腹のラインにかけてが
かなり開いてる
「アズさん 足、長っっ!!」
「…やっぱりTシャツ着ていい?」
「ダメー。」
「ユカちゃんは着てるじゃないかー!」
「私はいいの!」
――― アズさんの勧めもあって
白のワンピースにしたものの
…やっぱりかなり恥ずかしい
二人ともギャーギャーいいながら
二階から一階へと降りて行った
「ユカちゃん
もう皆、海行ってるみたい?」
「ぽいよー
男の人は、支度早くていいなー」
「―――――遅い!!」
いきなり後ろから声をかけられて
私は絶叫
アニキはマジマジと
アズさんの水着姿を見て
「…それ絶対
ナカマが選んだろう」と
口をヘの字に曲げる
「ま、いい
ちょっとボウズ、行く前に座れや」
「 ? うん 」
――アニキは
アズさんの左足を取って
まるでスポーツドクターみたいに
マッサージをし始めた
「…どうしてもオマエは
こっち弱いから
でもだいぶ、リハビリしたろう
前より引きずらなくなった
――― オメエはアホだけど
根性あるからな
…それは褒めてやる」
アニキは笑って
アズさんも『へへへ』と
笑った
…ケガか何か、したのかな
「…それともう一個」
「ん?」
「オマエ、水 怖いだろう」
「………うん 」
二人は
それ以上は、何にも言わなくて
アニキは暫く
真剣にマッサージした後
「終了。」と、手を離した
「ありがとう」
アニキは口の端で笑って
「後で、肩揉めよ」と
ドアを開いた


