「…鏡の中見て
『これ、誰？』って思う事、よくある
病院で
一年しないうちに
この姿になった
…改造手術でも受けたみたいだったよ
パンツなんか、
トランクス履いてたりしたし
ブラジャーだって
ずっと、要らなかった
やっぱり私は死んで
誰かの体の中に、入っちゃったのかな
そんな風にも思った
……でも 傷があるから
私なんだって、思うんだ…」
「……それはさあ」
「うん…」
「誰かの為に、
女の子になりたかったのかも
しれないよ」
「………」
「せっかくだし
おもいっきり、女っぽい水着
着てみるのも手だと思う！」
「……そうかな…」
「うん！私も見てみたい！」
「本当？！
そしたら私、
ユカちゃんが決めてくれた水着
何でも着る！」
……ここなんだよなあ
この人の、カワイイってか
いじらしいトコ…
ホントに
眺める部分が違うと
印象が全然違うや…
「…アズさんが男だったら
カッコよかったろうね
そしたら私、スゲー
ファンなってたかも」
「彼女にするね！！」
「うあ！！何その即答！」
「だってユカちゃん可愛いもん！
遠矢から奪う！」
私はゲラゲラ笑って
――もし、この世界が
男女逆転してたらとか
そんな話になって
やっぱり『彼』は美少女だろうとか
アニキはきっと、ツンデレだろうとか
青山さんは…とか
でも
やっぱり、
今の皆に会えて良かったと
そんな話をした
