Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜




アズさんの、顔が真っ赤

「うぁ 熱?!」

「…違うよ」


へちゃん と座り込んで
ちょっと泣きそうだ


「…なんかね…
ヘンなの

リュウジを、お父さんなんて
思った事ないよ?
ずーっと男の人って
ちゃんと思ってた

私、初めての人…
リュウジだから…」


「えええっ?!そうなの?!」

「…うん
それに………リュウジしか、知らない…し」


「………うわあああああ」


「だから、ちゃんと
えと…意識は、してたけど
…私が、本当に
みっともない時から、
リュウジは知ってるし

…カッパみたいだったんだよ私

痩せっぽちで
鳥ガラみたいで
―― リュウジの服に
吐いた事とかもあって…

そんな頃から
…本当に守ってくれて
大切にしてくれてたから
安心感のが、大きくて


で、でも
うどんの時とか
午前中とか
キ……キスしてくれた時の
今日のリュウジの顔

全然、違くって…

なんか私……うああああ」



―――私は
そのアズさんの姿が、可愛くて
クラスのコが
恋バナしてる時と
何にも変わらない

私とも変わらないのがおかしくって
ホントに大きな声で
笑ってしまった


「…や、やっぱり私
おかしいよね?!
ヘンタイなのかな?!」

「アハハハハハ!!
…へ…ヘンタイって
そんな事言ったら、私どうなるのさー!

…でも、岡田さんには
何にも思わなかったの?」



「…―――だって淳は
私の向こうの私を見てるんだもん…」


「………そっかぁ…
でも、顔とか
すごいカッコイイじゃん?
青山さんもカッコイイけど
一般受けなら、岡田さんでしょ」


「…顔かあ…

――― ナカマさんにも
"あんた、少し
美的感覚おかしいわよ?!"って
言われたけど

どうでもいいかなあ…」


「それはさあ
…アズさんが綺麗だからだよ
皆必死でお化粧して
髪巻いてさ…」

「…この姿になる予定なんて
自分の中で、予想外だったよ
だから、
ホントに変な感じなんだ……」