――それが突然、
優しくなって
小首を傾げ、切なそうに
下を向く


「…よかったら、少し話し相手に
なってもらえないかな…?」


そしてまた
深く潤んだ瞳で、ジッと見つめられる

―いつの間にか距離が詰まってて
顔が目の前


―――とっさに飛びのいた


反射的に
心のどこかが拒否る

てか、"これは演技だ"と
そう思った


……おもいっきり
ムッとした表情で
睨み返す。


多分、私が嫌だったのはこれだ

この人、演技で、こういう事が出来る事

―――空気でわかってた



「…潔癖だな」



「――アズさんにも
そういう事すんですか?」


「……あれは
かかったふりして
やり返して来るから
俺より、うわ手だよ」


アズさんの名前出した途端
パッと表情が、素に戻った

仕方なさそうな
置いて行かれたみたいな顔して
青い空を見る


…子供みたいだ。この人




―――――――― え


もしかしたら、この人………?



頭の中で
『Azurite』の"タイムマシーン"が
回った