「…青山とあずるちゃんが
ケンカしないのは
解りあってるから
基本全て、
お互いの事しか考えないで
動いてるし
理想っちゃ、理想だよね」
「……アズさんは
どっちを選ぶんだろう…」
「――これからの
岡田君次第だと思うよ
あずるちゃんが恋愛感情なのか
青山に似たパーツを持ってたから
彼に惹かれたのか
今んとこは微妙だけど…
向こうも向こうで、
あずるちゃんの生き方を
どこまで許せるか
支えてやれるのか
…普通の男には、相当大変だと思う
青山は、生涯レベルで
あずるちゃんに相対してるから
歳とってから一緒になっても
全然問題なしっぽいしさ
…音楽馬鹿だしね
二人とも
やる事なくなってからだって
構わないんじゃないか?」
「――なんか、濃いですよね」
「 あ 起き上がった 」
岡田さんは
むっくり起き上がって
両手で顔を摩って
足を少し引きずりながら
歩き始めた
「おーい!どうすんだ?!」
声をかけた緑川さんに
…そして私を見て
イタズラがバレた弟みたいな顔して
笑って
岡田さんはお辞儀しながら
「帰ります!」と
少し大きな声で、答えた


