Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜





「……本気で…言ってるの…?」


―― アズさんの両方の碧い目から
ぽろぽろと、大粒の涙




岡田さんはそれで我に帰って
必死で謝りながら
アズさんを抱きしめようとするけど
アズさんは泣いたまま蹴りを入れて
彼を近付かせない

だけど彼も必死で、
アズさんの腕を掴んで、引き寄せる



「来ないでよ!!
も…ヤダ!!

こんなの淳じゃ無い!!」


「アズ!!…ごめん
本気じゃ無い…… 俺……」


「…いいよ 襲えば?
抵抗しないよ
――――好きにすればいい

……下って何?!
ベットの上で、
いくらでも下にすればいいよ
口説くの得意って言ってたもんね

……それとも私が口利きして
どっかの映像関係に
捩込んであげれば良いのかな

あっという間に監督さんになって
私の前で、踏ん反り返るのかな

そして『よくやったな』って
言って……くれるのかな…」


「アズ!!」


「うるさい!!!!
回復してあげるよ!いくらでも!
"Maxim"みたいに悠然と
淳が思う様、戦える場所が
欲しいんでしょう?!

それが私に、望む事なんだから!!」



アズさんが砂を蹴り上げて
岡田さんの顔に
それが降り懸かる

その隙に、アズさんは駆け出した


「アズさん!!!」



私は岡田さんに叫んだ

「何で…何であんな事いうの?!
ホントにそんな事望んで会いに来たなら
ほんっきで軽蔑する!!」

「違う!!!
…俺は…ただ………
アズに傍に…居てほしくて」

「じ…じゃあ何で
そういう風に言えないの?!
あなたは、言葉の世界にいたんでしょ?!
言って良い事と悪い事の区別位
わかんないの?!?!」


「…アズ どこ行った…?!」

「どこ行ったじゃないよバカ!!」