Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜





二人の距離は
二メートルくらいで


岡田さんは
そこまで近付いたのに
どうしていいか判らない感じで
何も、言葉を発しない


アズさんの方から

「…元気だった?」と微笑んで

それでやっと岡田さんは
子供みたいな顔になって

「…うん 」と

一言だけ、呟いた

そして



「…青山さんが
行って来いとでも言ったか…?」


「………うん 」




岡田さんは
感情を隠す事なく、
悔しそうな表情をして

「…帰れ 」と言った



――自分が会いに来たんじゃん。と
少しツッコミそうになったけど
やめておいた。




「……おまえが俺に会いたくて
抜け出て来たんじゃないなら
…来なくていい」


「 …淳  」

「 ……触んな  」



少し出したアズさんの手を
避けるみたいにして
岡田さんは、後ろに下がる


なんだか私はそれにムッとして
思わず声をかけそうになったけど


…… 次の瞬間
顔を真っ赤にする場面に出会う



「…そりゃ余裕あるよなあ?
おまえの最初の男だもんな

俺は嫌いだあんな男…

人の事見下ろすみたいに笑いやがって!」


「違うよ 淳
…リュウジだって、傷、
いっぱいおってるんだよ」



「どこがだよ
……おまえも同じだよ

もっと、文句言えばいい
今の俺なんか
今のおまえに比べたら
遥か下の存在だ


―― オンラインの時と
だいぶ立ち位置、変わったよなあ

…なあ
回復してくれよ アズさん

それがおまえの役目だろ?!」




―――― 岡田さんの頬が、鳴った