……今朝はなんだか、
秋っぽい空気
空も青いし暑いんだけど
風が少し、切ないし
光が白っぽい
荊の飾りのついた階段をあがって
軽くノック
少ししてからドアが開いて
歯を磨きながら
岡田さんが、現れた
「 おはよ 」
「…お ハヨウゴザイマス。」
岡田さんはそのまま
ドアのトコに立って
昨日みたいに、中へ誘わない
「少し待ってて」
しばらくしてまた戸口に戻って来たけど
私が手に持った紙を見て
「何か俺、書いてなかった?」と
そのままだ
だから黙ってそれを見せると
案の定、目を大きく見開いた
「…さすがだね」
「私としては岡田さんが
皆と同じ結果なのが意外でした」
「それはそうかもね」
そう言って笑うけど
これ多分、
私が"CheaーRuu"の皆や
アニキ達に会って
"イケメン耐性"が出来てなかったら
相当ヤバイかったんじゃ
ないだろうか…
私の持ってる
青山さんのイメージが
"夜"とか"月"だとしたら
この岡田さんは
"太陽"みたいに、明るく、笑う
『さあ、
どっちがあなたのタイプですか?』
って感じで
ホント、正反対だ
だけど
「…カッコイイっすね」って
言った時に見せた顔に
――色気ってのは
もうあそこの軍勢は
皆、持ってるんだけど
それとは何か、違う感じがある
汗をかいて来て
額を拭うと、岡田さんが
「あ」と言う顔をした
「下の、管理人室の横の
ロビーに行こう
階段、気をつけてね」
そう言ってドアを閉めて
私の先を歩き、降りた


