「青山さんは中?」
『…下に、いないの?』
「え うん アニキしかいないよ」
『…アズの部屋にはいない
俺探してみるから
ユカ、アズの傍に居てやって
薬飲ませたから、もう眠ると思う』
「うん」
「ユカチン、おやすみ〜」
「あ! おやすみなさい!」
――そっと部屋に入ると
ライト一つ
「…おかえり ユカちゃん」
「ただいま!
あ 起きなくてい……」
――― 薬のせいなのか
なんだか碧い目に
霞がかかったみたいになってて
…私も眠いのかな
にこりと笑って
私の手を握る
「……淳、元気だった?」
「うん。 」
「 なら いい…
ごめんね… 夏休みなの…に」
アズさんは深く息を吐くと
薬に連れて行かれるみたいに
スゥッと眠った
…少し心配になって
脈なんか、はかってみる
―― 長い睫毛
…鼻の穴はそら豆型。
私は丸いんだ……
肘から指にかけて
マネキンの手みたい
…私も寝ないとな
明日は朝から、
デートプランの回収しなきゃだし
……ここで良いトコみせないと
挽回のチャンス、少ないなあ
―― 岡田さん……


