Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜



午前、零時半

来た時より、風が凪いでいた


「…ごめん ユカチン 驚いた?」


「……びっくりしたのもあるけど
自分の事言われたみたいで
…へこんだだけです」



「あの人の全てを
否定したワケじゃないんだよ

映像だって、不意に
とても良いカットとかあるんだけど
…すぐに僕っぽいもので
埋められてしまって…」


「…そういう事も
言ってあげればいいのに…」



「僕だって先生じゃなくて
まだまだ新米の、現役だからね
敵に塩を贈るほど、優しくないよ〜

それに彼だって
『敵』の陣地に
乗り込んで来たわけだから」


「…敵かぁ


ここはまだ
"夏の陣"なんだね……」



「わはは〜
うまい事いうなあ

…わけの判らない運命の
おかしな輪に、反撃の最中

軍師クウヤンが
横槍入れて来た新参者に…って
トコかもね 」