Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜






部屋の中に入った途端
私は盛大にクシャミをしてしまった

部屋の温度が、すごい寒い

「ごめん
久しぶりに来たけど
……やっぱりこっちは暑いね」


急いでリモコンで
クーラーの温度をいじってる

「あ、気にしないでクダサイ。
…アズさんの部屋も
こんな感じですから」



一瞬、その人の動きが止まって
ゆっくり私を、振り向いた



「…アズの、友達? 」

「はい」


そう返事をすると
柔らかい顔で笑って

「…岡田 淳です よろしくね」と

片手をスッと、出され
握手をして、離した



楽器を弾いてる手じゃなくて
見慣れた青山さんや、
皆の手とは、だいぶ違ってる



…そして
アニキは顔、無傷だったけど
この人は少し、口の端が切れてた


「……平気ですか?」


私が自分のそこを
指で指し示しながら言うと


「…ああ 大丈夫です」と
笑って答えた



そして椅子を二つ、引いてくれて
建物の外観とよく似た
モノクロとゴシックな雰囲気の
インテリアの中に
私たち三人は、座った







……落ち着かない

風の音のせいかな

多分、
知らない人だからなんだろうけど…

―― なんだろう


青山さんの雰囲気って
普段はかなり、落ち着いてて
…それに馴れちゃってるせいなのかな


「…それで 俺に話って?」


真っ直ぐな目を、
真正面から向けられる



「あ…えっと、ですね!」

私は立ち上がり、
青山さん達に話した内容と
同じ解説を始めた



『…煙草、吸っていいよ 岡田さん』

「いや」

『…ここではそういう事
気にしなくていいよ

………Maxim 』


その人の目が、デカくなった



「…アズに聞いたの?」

『…Sero、最近来ないけど
あの人やめたの?』


「……おまえ 誰?」


『…teriだよ 』


「………………マジか…」