Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜




その人の居る建物の前に立って
私は落ち着く為に、ひと呼吸。


………どんな人だろう

遊び人とか言ってたけど
ネットゲームで知り合ったんだよね

…チャットじゃなんとでも言えるし
物凄くオタクで、
フリしてるだけかもしんないし。

あれ?皆は会ったんだっけ?
まあいいや…

今から会うんだし


「どっからいけば…
守衛さんいるトコから上がるの?」

『…いや
二階の客間に、直接行ける階段がある

元々スタジオと、
ゲストルームの為の
建物だから』


裏に回ると、荊みたいな飾りのついた
黒い手摺りがあって
それが一回曲がって、二階に続いてる

その先の扉の窓に、光


『彼』が先に
『…話はしてあるから
起きてるはず』

カンカンと音をたてて
駆け上がる


――― 昇り切る前に
『ガチャリ』と、ドアが開いて
その隙間から、明かりが漏れた





……… ぉぃ。

ちょっと待て。と

私はその人を見て
一瞬、絶句した