『…ユカ 』
玄関先に、『彼』が立ってた
「アズさんは?」
『…寝られないみたいだけど
横にならせて来た
…デートは、俺も行くよ』
「…あんた、青山さん側じゃ…
――― そっか…
公平って、言ってたね」
『…もし青山さんや
あの人が、無茶しても
ユカ、止められないだろ』
「………確かに…」
『…外、風強いから
目の中に、砂 気をつけろよ』
「うん 」
時折、
スカートが巻き上がりそうな風
それを抑えながら歩いていたら
――― 『彼』が私の顔を
後ろから
片手で抱く様に、
ゆっくり歩いてくれた
… 油断してる時に
こういう事やるって
スゲー、ズルいと思います。


