「とりあえず青山くん」
池上さんが青山さんの腰をポンと
叩いた
「アズルンの手首
真っ青になってるよ」
「…あ 」
白い手首が
真っ赤な痕になってる
「…ごめん あずる」
「…ううん 」
そして青山さんは
アズさんの手の平に指を絡ませて
ゆっくり、強く繋いだ
――― 変な事に気がついた
もしかしたら守られてるのは
アズさんじゃなくって
皆なんじゃないだろうか……
「…あのさ」
『…何』
少し離れた場所に立つ私の横に
彼が移動して来てしゃがみ込んだ
「その人の、夢って
なんなの?」
『……映像 』
「社長の息子なのに?」
『…アズと知り合ってから
反対押し切って、始めたらしい
…出来はどうなの?
映像フェスティバルの審査員さん』
「ん?」
戻って来た池上さんに
『彼』が問う
「守秘義務があるから、言えないよ〜
だから今年の事は言えないけど
去年の発表された結果だけなら
―― 既存の作家の影響が強く
綺麗に纏まり過ぎって批評で
…落ちてるね」
「……池上さん スゴイんですね」
「僕は
ツテで世界に入ったみたいな
モンだから
アズルンが居なかったら
きっかけになった『Azurite』のプロモ
撮ってないワケだし」
『…野音のポスターも
すごかった』
「え? 今回のポスターは
僕、やってないよ?
DVD出す時は、アズルンの専属だから
総監督だけど」
『…前の 』
「……前って………
もしかして、あの天使の…?」
『…そう』
『彼』はポケットから
自分の灰色の携帯を出すと
開いて画面を、こちらに見せた
『……アズのファンになってすぐ
ネットオークションで落とした』
「……う、ウチにいっぱいあるのに…」
『彼』が笑う
「…肩の傷 治療しながら
外国で写真、撮りまくったよ
写真は、皆と居た時に
初めて撮った様なもんだから
基礎知らないし、学校も行った」
『…肩の傷 酷かったんだね』


