Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜




リビングから見える窓の外は
いつの間にか夕暮れ

入道雲が、風にばらけて
赤とオレンジと
金に光ってる


テーブルを挟んで
アズさんは、ソファーの下に行き
青山さんは
何か拡げている、彼女の手元を
覗き込んだ



「…リュウジのも、もう少しで
出来るからね」


「うん」


アズさんが拡げていたのは
細かく仕切りのついた
透明のプラケース

中には
いろんな色と種類の
ビーズがそれぞれ入ってる


「うまいモンだね〜」

池上さんの腕にあるのは
青と白の、ビーズで出来たミサンガ

タコ焼きを温めて来てくれた
アニキの腕にも
お揃いの物がついてる

テーブルに
テグスを引っ掛ける金具をつけて
かなり早いペースで
それは出来て行く



「…あずる
これやってると、大人しいな」


青山さんが
アズさんの襟元を直しながら笑う


「変な事いうと、変な模様入れる」

「何いれるんだよ」


「謎の暗号。」


「別にいいよ」

「…それ解かないと
クツ、
全部隠した在りかがわからないから
出掛けられないんだよ?」


「…ずっと部屋で
おまえの事、口説いてれば良いだけ」


「…………。」


青山さんは『ん?』と言って
笑ってるし
アズさんの手元が止まって
首も顔も真っ赤になる


アニキと池上さんが
ゲラゲラ笑ってるけど

青山さんが、言葉を続けた