Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜







「…お酒飲んだな?
ユカちゃん」


「……ふぇ? 」



ふと目を覚ますと
私は水を飲まされていて

――― 青山さんが笑ってる
アズさんも



池上さんが
「おかしいなぁ
僕、ハイタニンとユカチンの奴には
アルコール入れてなかったのに
ごめんねぇ」と
とても済まなそうに
頭をかく


「何か飲んだな オマエ」


アニキが、煙草を吸いながら
頭に、濡れタオルを乗せてくれた


……そういえば
明け方起きた時に、喉が渇いてて
テーブルの上にあった
何かを、適当に飲んだ気がする…


思い当たるふしがあったので
黙って一回、頷いた


「だからあんなに
激しかったのかあ」

池上さんが笑う



「頭、痛い?」

アズさんがそう言いながら、
飲ませてくれていた
ストロー付きのグラスを
床にそっと置いた

……透明な氷の
綺麗な音がする


首の後ろが気持ちいい
氷枕、してくれたんだ


ボーッとするだけで、頭痛はない


「…平気、みたいです

…… なんか」

「…ん?」

青山さんが、聞き耳をたてる


「……去年の、
コンテストの時、みたい」


「 ああ 」

青山さんが 柔らかく笑った


…あの時も
皆に囲まれて、扇いでもらって
対バン…蘭さんに
氷いっぱい貰って…


上の部屋で寝たはずなのに
下のリビングにいる



「ユカちゃん、真っ赤な顔で寝てて
話し掛けても反応しなくて
灰谷が心配して
下に運んだんだよ」


「………」

「若いし、すぐ抜ける
水たくさん飲んで 出せ」


アニキがタコ焼きに
サランラップをかけていた

それを見つめていたら

「…なんだ? 食えるのか?」と
驚いた顔で聞かれて

返事の変わりにお腹がグゥ。と鳴った


リビング中が大爆笑になる



「ヘーキだこりゃ
これ温めて来るから、少し待ってな」



「うん 良かった」


青山さんが、煙草に火を付けた


池上さんが少し
氷枕の位置を、変えてくれる