「…でもさ」
『…何 』
「……随分やっぱり、
アズさんの事
知ってるよね」
『…アズは基本、自分の為には
嘘つかないから
俺の事、信用してくれてるし
聞けば全部、教えてくれる
……クリスマスに
あの人と会って
腹に傷がある事は話してたけど
実際見たら
…しかも
命懸けで男を守った事実に
へこんだらしくて
そしてコンテストの日に
あの人もカッとする部分あるから
青山さんに声掛けたらしいんだ』
「…ホ ホントに?!
青山さんそんな話してなかったよ?!」
『…名乗り合った訳じゃないし
でも "いい男だった"って
青山さんの事言ってたって
…それであの"Chea"のライヴ見て
会うのを最初は許してくれなかったから
ああいう形で走って
…青山さんの家に向かった』
「……そうだったんだ…
え
じゃあ あの時点でアズさんは
青山さんのトコ向かってたの?!」
『…そう』
「……で、でも私の事送ってくれて
青山さん随分、遅くなったんじゃ…」
『…平気
皆待ってたし、ちゃんと会えたよ』
「……そっか……
良かった………
………でもさぁ…
最初は許してくれなかったんだ…」
―― 解る気もするけど…
『…初恋みたいだから
アズが 』
「………え いくつよ その人
それに、遊んでるタイプの人って
少し聞いたよ…?」
『…不器用な人だって居る』
「…そ……
そうかもしれないけどさぁ…
なんかアズさんって
…才能は驚異的だけど
普通の女の子なのにね…」
『…それがまだ
あの人には解ってない
やっぱり何処か
ネットの Az 扱いしてるから』
「…ネットでのアズさんって
どんな人なの……?」
『……女神って呼ばれてたよ
本人知らないけど』
「…あちゃー… 」


