Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜




まず 星空に 目を奪われる


海風が、少し吹いていて
満月に近い青い月が
かなり明るい

月の周りが、グラデーションになってて
夜空の色は、群青色

海の色は、それよりも、もっと濃い紺

波だけが白くて
皆が笑い合う声に被さるみたいに
音を立ててる

露天風呂は
木で出来た平らな床に
掘ごたつみたいに、お湯がある感じ
白木で、ツルツルしてる

一応、柵があって
砂浜から、少し高い位置

階段がついてて
ここからすぐに、海に行ける様に
なってるみたいだ


アニキは
「やべー 気持ちいわー」と
肩まで浸かって
頭を床に置いて
たたんだタオルを、目の上に置いてる

…青山さんは
床に座って、足だけを湯に浸けてる

気を使ってくれたのか
浴衣は着ていたんだけど
上は脱いでいて、腰のトコ

肩にタオルをかけてる


『彼』は
床に置いてある、唯一のあかりのランプを
お湯に入りながら
床に手をついて、顎を置き
構造を観察してるっぽい


タオルを取ったアニキが
「あ、ヤベ ゴム忘れて来た
ボウズ、それくれ」

「はいよー」

『彼女』の腕から
アニキがシュシュをとって
髪を結ぶ

「実はこの中で
1番の長髪ってオレか」

「そうだね」

青山さんが笑う


私はなんとなく
全部浸かり切らないで
やっぱり床に座って、膝までいれて
足をユラユラさせていた


アニキが「よし。」と言うと
床に手を着いて
ザバッと上にあがる

そして手には、小さな外国っぽいビール


「ほら、オマエらも何か持て」

『彼女』は
何事?って顔で
少し泳ぐみたいにして
トレイの上から、
私にはピンクのジュースと
青山さんには、水
『彼』にはジンジャーエールを配り
自分はコーラを持った


アニキは
小さな瓶の、外国のビールっぽいのを
マイクみたいに、口にあてる


「えー 一応挨拶な」

『出た イベンター』

『彼』がそう言って笑い
アニキは「うるせー」と笑う