上にあがると
アニキが二階のベランダから指示
「そこの右入ると
露天風呂あるから、入って来い」
『空哉さんは?』
「少ししたら行く」
仕事してたっぽくて
銀のフレームのメガネをかけてる
中にそのまま引っ込んだので
「こっち?」とか言いながら
私達は、お風呂に向かって
歩き始めた
波の音の中を進むと
すぐに小さな脱衣所
ここも丸太で出来ていて
山小屋みたいな感じになってる
――… も もしかして混浴?!
そんな事に気が付いて
一瞬躊躇したけど
皆はスタスタ小屋に入って行ってしまう
彼と青山さんが中に行った後
『彼女』が振り向いて
横に走って来た
そして耳元でコソコソ。
「……中は一緒だけど、
脱衣所は別だから
着て入る浴衣もあるよ」
「…よ……よかった」
「…問題はね」
『彼女』の声が低くなり
顔も、険しくなる
「……は、はい」
「あの二人は、
そんなの着てこない予想?」
「……!!」


