コンビニに入ると
レジのおばさんが『あ』と、声
『いらっしゃい』と
にこにこしながら挨拶すると
「こんにちはー」と
『彼女』が挨拶
常連ぽい空気
「あ あの」
『彼女』がまたもや
怖ず怖ずと声をかけてくる
「水着とか、お風呂道具、全部
向こうにあるからね」
「向こう……」
「うん 別荘が…えと
保養所が、会社が持ってる
プライベートビーチらしくて
私も初めて行くんだけど
楽しみで
あ…えと
最近、年の近い女の子同士で話すの
久しぶりで、
ちょっと謎の人になってたらごめんね?」
目が泳いでる
……ホントに緊張してるよ この人
ステージの上だと
あんなに無敵っぽいのに
私は、153cmしか身長が無くて
『彼女』は、どれ位なんだろう
細いから、あんまり大きく見えないけど
170cm位はあると思う
それなのに縮こまってて
何だか可笑しくて、笑ってしまう
『彼女』は
え?え?って感じで、慌ててる
『……なんだ
もう喋ってるじゃん』
――― その声には
秒速で、振り返ってしまった


