私が去年、インターで 青山さんに送られていた お父さんみたいな空気と アニキのそれは、少し、違う ちょうど今 ここにある距離感 四人席の、私の前には座らず お客さんがいないからなのか 斜め前の席に 道一個あけて、 ジーンズの足を組んで、座ってる 「……あの」 「ん?」 「……"あの"バンドは…… もう、やらないんですか」 ――アニキは 『ああ』と一言いって テーブルの上のアイスコーヒーを ストローを使わないで、飲む