Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜



パンツ一丁で出て来たお父さんを
今日は、怒らないでいてみる。

お父さんは
『やっぱり我が家はいいなあ!』と
冷蔵庫からビールを取り出した



「お父さん」

「?」

ビールを飲みながら『ん?』と
目だけこちらに向ける


「…お父さんの夢は、なに?」


「子供の時は
………世界征服だったなあ」


…お母さんが吹き出してる


「中学の時は、父さん
陸上やってたから
県大会突破だった」

「…いきなり小さいよ」

「小さくないぞー!!
地区の壁が高くて…」

「…今は?」


お父さんは、コキュっと喉を鳴らして
ニシャーと笑って
こう言った


「…元気に、
ユカとユウトを結婚させて
孫の顔を見る事だな。」



……いつ怪我したのか判らないけど

ちょっと肘を擦りむいてる


「…お父さん
バンソコ変えてあげるよ」

「お?
そんな目立つか?」

お父さんは、自分で肘を見た


お母さんは
笑いながら救急箱を持って来たけど
私は一度、二階に戻って
鞄の中から
とっておきの、"CheaーRuu"の絆創膏を
バチンと、貼付けた