「…でも
その恋を、悪いって言ってないよ
……ユカは
『彼』と付き合うとか
そこまでになってるの?」
私は黙って、下をむいたまま
首を、横に振る
「…大人にならなくても
ある部分、許される世界だから
……あの世界に行って
あの人は、正解だったと思うよ」
「……お母さん
私は、やっぱり
…子供かな…」
「…大人にだけはさ
自然になるものじゃなくて
"なろう"って強く思わないと
なれないからねえ」
「なんで…?」
「当たり前じゃない
皆、毎日、友達と遊んで
笑って、喋って
なーんにも考えなくていい
夏休みの子供みたいに
ずっと過ごしていたいもの
キッカケも、
大人になる理由も
人それぞれ、違うけど
そうやって皆、子供の頃から
次の季節に 歩いて行くんだよ――」


