真っ白になったステージ
花火がステージ前から
一気に打ち上がって
客席は歓声と、
少しおかしくなったみたいな
低い絶叫を挙げる
―― いつも見る
人魚みたいな髪の『彼女』は居なくて
髪は真っ白の、ベリーショート
服はガーゼシャツ
黒いジーンズ
声もいきなり低くなって
まるで違う
少年の声みたいに
しばらくは、その『声』だけで
金縛りで―――
ずっと同じ顔と
位置で
固まって居たと思う
曲を聞く余裕とか
楽しいとか
カッコイイとか
上手いとか
そんな事は、一切吹き飛ばされて
相手が『Azurite』なんだって事も
全部忘れて
私の中の『コンパス』は
一気に踏み潰されて
無くなってしまった


