Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜



お兄さんはニットキャップを少し掻いて
― その下からドレッドが見えてて

その髪の先にも
水色の石があった


「弟さんは、いくつ?」

「小学生 五年です」

「まあ、メールもあるしね
…じゃあ、贈り物だな」

そう言って、和紙の青い袋に
一個づつ キーホルダーをいれ
腰の革のバックから、ペンか何かを出し
袋に書いてくれた

私の腰でも、5時のアラーム


それを止めてから、千円を出し、
小さな袋二つを、受け取る


「毎度」と、お兄さん

私は
お兄さんの全身が
結構いい物で、揃えられているのに
気が付く

……このお兄さんは多分
『これ』をしなくても
食べて行ける人なのかもしれない

でもきっと

―――『これ』をしないでは
生きていけない人なのかもしれない