チェリーをあげる。


ようやくみんなが昼寝を終えて、浜辺へ出ようと思った頃には、


陽が既に西に傾いていて、今から泳ぎに行くのはどうかと思われるような時刻になっていた。




「もう…!ひろぽんがなかなか起きないからだよー!泳ぎに行くの、すっごく楽しみにしてたのにー!!」




私が愚痴ると、




「仕方ないよ。みんな長旅で疲れてたんだし…。別に海は逃げないし、明日入ればいいだけのことだろ…?それに無理に泳がなくても、潮風に当たってぼーっとしてるだけってのも気持ちよさそうだよ…?」




渡さんが私をたしなめた。




「そうだね…。沈む夕日を見ながら浜辺を歩くってのもロマンチックかもねー。雛、ほらちょっと渡さんとその辺歩いてきなよ…。うちらはちょっと買出しに行ってくるからさ」




ちーちゃんがそう言って、


ひろぽんまでが




「そうだ、行って来い、行って来い」




なんてにやにや笑うので、


私と渡さんは民宿の下に広がる浜辺をふたりで少し歩くことになった。