チェリーをあげる。


こっちを向き直った渡さんは、私の目をじっと見つめた。




「あの頃の俺は大学に入るのを機に地元を離れて、過去の恋とかしがらみとか全部忘れて、ちょうど自分を新しく立て直そうと思ってたときだったんだ…」


「うん…」


「まさにそんなときだったんだよ。君から手紙をもらったのは」


「え…」


「女なんてもうこりごりって思ってた矢先にあの手紙だろ…?かなり驚いたけど、もしかするとこれは神様が“もう新しい恋を始めてもいいときだよ”って言ってくれてるような気がしてさ…。思わずこんな男でよければって返事をさせてもらったんだ」


「…そうだったんだ」


「うん…。君の手紙には、そう思わせるような強い何かを感じた」


「へー…」




随分前の話だけど、告白が実った理由をこんなふうに聞かされるなんて思ってもみなかったな…。