チェリーをあげる。


すると渡さんがため息をついた。




「雛ちゃんさ、お金なんかでホントに俺が喜ぶと思ったわけ…?」


「え…?」




渡さんは腕を組んだ姿勢で、あきれたようにこっちを見ている。




「いくら俺が貯金してるって言っても、お金をあげるっていうのはちょっと話が違うと思んだけど…」


「えっ…」


「君が俺のことを想ってくれてるっていうのはよくわかるけど、やっぱお金っていうのはなあ…」


「は…あ」




何か怒られるかなとは思っていたけど、やっぱり怒られるか…。




今日は何を言われるのだろうとビクビクしていたら、


意外にも渡さんはふっと笑い出した。




「…でも、それって雛ちゃんが少しは俺の気持ちを考えられるようになった、ってことかな…?」


「え…?」




今度はこっちが首をかしげる。




「だってそういうことだろ…?俺のために金を稼いでくれてたなんて」