「渡さん、あんなつらい過去があれば、もうエッチしたいって思えなくて当然なのに…、私、渡さんの気持ちとか全然知らなかったから、無理矢理過去の傷をひっかくようなことしちゃった…。ごめんね、謝っても許してもらえないかもしれないけど、一応謝らせて…」
「雛ちゃん…?」
渡さんは私の方をじっと見ていた。
「ホント、ごめんね…」
私は膝の上で握り締めていた拳を更に強く握りしめた。
「でもね、私…、いろいろ考えて、やっと自分がどうすべきかわかったんだ…」
「え…?」
顔をしかめた渡さんに、私は精一杯の想いを伝えた。
「私はさ…、こうしてほしいっていう自分の希望を渡さんに押し付けるんじゃなくて、もっと渡さんの気持ちを考えて付き合うべきだったんだよね…。自分の主張が通らなければ、もっと違う角度で渡さんとの付き合いを楽しめたらよかったっていうか…」
私の頭によっこと正さんが浮かんだ。
「たとえば渡さんと同じ夢や目標を持って、それに向かって一緒に頑張るとかさ…」

