よかったー、
さすがのひったくりも手紙は持っていかなかったか。
胸を撫で下ろした私に、渡さんが言った。
「これ、俺が見つけたときにはもう封が切られててさ」
え…?
「中を確認したら、俺宛の手紙みたいだったから、警察に言って預からせてもらってたんだ」
えっ…。
「じゃあ渡さん、これもう読んじゃったの…?」
「うん」
うそ…。
私は急に恥ずかしくなった。
この手紙で、私は渡さんに嫌な思いをさせてきたことを謝り、
心機一転バイトに精を出すことにしたので、貯めたお金は誕生日プレゼントとして渡さんにあげますということを述べていた。
そして心を入れ直した私と、できればまたやり直してほしいということも書いていた。
けど、肝心な祝儀袋がなきゃ、つじつまの合わないただのおかしな手紙になってしまう。
渡さん、きっと変に思ったよね…?
ああ…(泣)。

