「え…」
私はてっきり伸さんが話をつけてくれるだろうと思っていたので、
礼さんにどう切り出せばいいかなんて考えてもなかった。
それでも礼さんは、
「へー、雛ちゃんって言うの…?かわいい名前だね…。私でよかったら何でも言って…?」
そう言って耳を貸してくれたので、私はドキドキしつつも彼女に悩みの種を打ち明けてみた。
「実は私、こないだ渡さんに別れようって言われたんです…」
「え…?」
「それで理由を訊いたんですけど、どうやら渡さん、礼さんのことを忘れられてないっていうのが理由みたいで…」
「は…、私…?」
礼さんが自分の顔を指差した。
「はい…。それで私達、渡さんが礼さんに会って、礼さんから“あなたのことはもうなんとも思ってないから私のことは早く忘れて”みたいなことを言ってもらえたら、渡さんも礼さんのことあきらめて私のところに戻って来てくれるんじゃないかって思ったんですけど…」
「え…?」

