「お忙しいところお時間を取っていただきすみません」
伸さんが挨拶すると、
「いえ、こちらこそお待たせしてごめんなさい」
礼さんも頭を下げた。
店員さんに注文を告げた後、渡さんのお姉さんが私と伸さんを礼さんに紹介してくれた。
「こちらが渡が大学の寮でお世話になってる柄沢さんで、そちらが渡の彼女の若井さん」
すると礼さんはあらと笑った。
「なんだ、美晴がすごいお客様が来てるって言うから誰かと思ったら…、渡の彼女だったのね」
礼さんの言い方にドキっとしつつも、私は小さくうなずいた。
「すみません…。今日お時間取っていただいたのは、渡くんと若井のことで、礼さんにご相談というか、お願いがあったからなんです」
伸さんはそう言うと、
「ほら、雛ちゃん。あとは自分で言いな」
と私に目配せした。

