チェリーをあげる。


「2年くらい前の話になるんですけど、実は渡が礼を妊娠させちゃいましてね…」


「えっ…、妊…娠…?」




その話を初めて聞く伸さんはやっぱり驚いていた。




「そうなんです…。あのとき私達は大学生になっていたんですけど、渡はまだ高校生で…。礼には大学を休学して留学する予定があったから、結局子供は堕ろすことになっちゃって…」


「えっ…」




それは私もまだ聞いたことのない話だった。




「子供…、ホントに堕ろしちゃったんですか…?」




私がたずねると、お姉さんは残念そうに答えてくれた。




「そうなの…。渡は学校をやめて働くから結婚したいって言ったんだけど、うちの親が猛反対で、礼も留学の夢をあきらめられないってことで、結局中絶することになったのよ…」




伸さんもようやく平静を取り戻し、お姉さんの話に相槌を打った。




「そんなことがあったんですか…」


「はい…」