少し話しただけで渡さんのお姉さんはすっかり伸さんと打ち解けてしまい、
その後続いた伸さんの問いにも、いちいち全部答えてくれた。
聞けばお姉さんは、地元の大学で英語を勉強しているとのこと。
伸さんは初対面の人と仲良くなるのがホント上手いなと思いながらふたりの会話を聞いていると、
彼はそう時間が経たないうちに、いきなりお姉さんに本題を切り出していた。
「美晴さんすみません」
「はい?」
「つかぬことをお訊きしますが、美晴さんのお友達で、以前渡くんとお付き合いされてた方ってご存知ですか?」
伸さんはさわやかな笑顔でさらっと言った。
「渡と付き合ってた人…?」
お姉さんも伸さんに釣られるかのようにさらっと訊き返した。
「それって、もしかして礼(レイ)のことですか…?」

