それからあたし達は一緒に家を出て駅まで歩きだした。
これはあたし達の日課だ。
「今日はまた可愛い髪型してんな」
ゆうくんはそう言ってあたしの巻いた髪をクルンと触る。
「ど、どうも」
そう、ゆうくんはいつもこうだ。
女の子だったら誰でも嬉しいだろうと思われる言葉を軽々と言ってみせる。
そのたびに男慣れしていないあたしは慌ててしまうのだけど。
「なー、美衣って好きな奴とかいんの?」
からかうようなゆうくんの視線。
まるでクラスに一人や二人はいるチャラオ、だ。
「いませーん」
つーん、とそっぽを向いたあたしをゆうくんは意地悪そうな顔で覗き込んだ。
「なんだ、残念。俺かと思ったんだけどな?」
「え?」
思わず足が止まった。
今ーー‥何て言った?
ゆうくんが数メートル進んだところではっとわれに返って追いかける。
「ま、待って!」
「おせーよ」
ゆうくんは振り向いてニッと笑った。
少年みたな笑みがなんだか眩しくて少し、ほんの少しドキっとしてしまった。
これはあたし達の日課だ。
「今日はまた可愛い髪型してんな」
ゆうくんはそう言ってあたしの巻いた髪をクルンと触る。
「ど、どうも」
そう、ゆうくんはいつもこうだ。
女の子だったら誰でも嬉しいだろうと思われる言葉を軽々と言ってみせる。
そのたびに男慣れしていないあたしは慌ててしまうのだけど。
「なー、美衣って好きな奴とかいんの?」
からかうようなゆうくんの視線。
まるでクラスに一人や二人はいるチャラオ、だ。
「いませーん」
つーん、とそっぽを向いたあたしをゆうくんは意地悪そうな顔で覗き込んだ。
「なんだ、残念。俺かと思ったんだけどな?」
「え?」
思わず足が止まった。
今ーー‥何て言った?
ゆうくんが数メートル進んだところではっとわれに返って追いかける。
「ま、待って!」
「おせーよ」
ゆうくんは振り向いてニッと笑った。
少年みたな笑みがなんだか眩しくて少し、ほんの少しドキっとしてしまった。

