「急にごめんなさい。




今年の夏休み・・

横浜、行ってもいいですか・・・?


お参りに
行かせて下さい。」




返事は


「もちろん、おいで。

俺が案内してあげるから。


あと、
そのときに美咲がずっとつけてた
ネックレス、渡すよ。


しっかり勉強して上京したいって
アイツ、言ってたんだ。
お母さんと何か関係あるんだろうけど
正直、俺たちにもわかんねぇ。

絶対あのネックレスだけは
肌身離さず持ってた。

親戚の人に引き取られるくらいなら

咲希ちゃんに引き取ってもらったほうがアイツも幸せだと想うから。


俺はさ
美咲が大事に想ってた子だから
俺としても咲希ちゃんは大事な子。
だから、自分を責めたりしちゃいけないよ。
咲希ちゃんは
美咲にとって
すごくプラスな存在だった。
アイツ幸せにしてくれてありがとな」






感謝される人間なんかじゃないのに
あたしは

卑怯な人間なのに・・・


気が楽になったようで

責めてた気持ちが少しだけ
薄れたようで

すごくすごく
安心の涙が出た。



悲しみの涙も
嬉しい涙も
きっと味は変わらない
見た目も変わらない


ただ、
ほんの少し
心がほっこりした。