『中央病院に運ばれました。至急来て下さい。』


プツッ



ツーツーツー



無機質な機会音だけが


受話器から聞こえてくる。



私はその場に立ち尽くしていた。


お兄ちゃんが


事故?


両親の事故の記憶が蘇ってくる。



TVで事故を知り、

お兄ちゃんと駆け付けた病院。

そこには

二度と目覚める事のない

二人が横たわっていた―…









「望?」


メガネくんに名前を呼ばれハッとした。