メガネくんと私


静まりかえってる住宅街の中に
響き渡るくらいの大声で叫んでしまった。


やばっ!


緊張し過ぎて声のボリューム間違えた!!


これじゃあ近所中に聞こえてるよ〜!

緊張と恥ずかしさでだんだんうるうるしてきた。

すると、メガネくんがこっちを振り返った。


「望、声デカすぎ。
ま、そんなけ俺と手繋ぎたいって思ってるって事だよな♪」


ニヤニヤ笑っている。


もしかして…

私の反応をみるためにわざとそう仕向けた?!


くそぉ〜

騙された!!


私が悔しがっていると、

ぎゅっ

メガネくんが私の左手を握った。


「行くぞ!」


「…うん!」


まっ、私はメガネくんには敵わないって事かな。


私たちは暗がりの帰り道を、
手を繋ぎながらのんびり歩いて帰った。